時系列因果推論
顕微鏡画像データを画像認識したり、生体内の代謝物を計測することで、さまざまな時系列データを得ることができます。そこで、時系列データ間で、原因と結果の関係があるかや、因果関係の強さ、方向などの推定する時系列因果推論の技術の研究しています。従来の時系列解析は線形な性質のデータ(平均や分散、その分布がどの時間でも変化しない)を対象にしていました。しかし、本研究室では、生物データに対する時系列因果推論を実現するために、非線形な性質の時系列データに注目し、時系列長が短く、ノイズを多く含むようなデータに対して頑強な手法を提案を目指しています。
時系列因果推論の従来手法には、線形な時系列に適した Granger 因果性テストや、非線形な時系列に適した Convergent Cross Mapping (CCM) という手法があります。かなり独自色の強いテーマで、立命館大学情報理工学部では唯一、国内でも本テーマに取り組んでいる研究室は限られます。
なお、因果推論の研究の過程で、大腸菌の細胞増殖と糖を代謝を再現する数理モデルの構築や、モデルのパラメータ最適化のアルゴリズムの研究も行っています。下図はグルコースをATPなどに分解するエネルギー代謝を、常微分方程式で記述した数理モデルの全体像を表しています。こうした数理モデルの構築とパラメータの最適化、シミュレーションにより、細胞の分裂や増殖における重要な要因や、因果推論の手法を組み合わせることで、生育環境の変化が生体内に及ぼす影響を推定しようとしています。
